パソコンつけっぱなしは危険?電気代やメリット・デメリットを解説
「また明日使うしシャットダウンするのも面倒だから」とパソコンの電源をつけっぱなしにしてしまうことはありませんか?
同時に、「つけっぱなしはパソコンにとっては良くないのかも……」と感じている方もいるかもしれません。
実際、パソコンをつけっぱなしにすると以下の面で問題が発生する可能性があるため注意が必要です。
- セキュリティ
- 寿命
- 火事などの災害
- 本体が壊れる
- 電気代 など
本記事では、パソコンをつけっぱなしにすることで発生しうる上記のような問題について具体的に解説していきます。
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パソコンをつけっぱなしにすると良くない?結論です
パソコンをつけっぱなしにすると使いたい時にすぐに使用できますが、一方で以下のようなデメリットもあります。
- セキュリティ面で危険
- パソコンの寿命が縮むおそれがある
- 火事などの災害が発生する可能性がある
- 本体が壊れる可能性がある
- 電気代が高くなる可能性がある
本項目では、上記に記載したデメリットについてひとつずつ解説していきます。
パソコンつけっぱなしはセキュリティ面で危険!
パソコンをつけっぱなしにすることのデメリットとして、セキュリティ面が挙げられます。
なぜなら、インターネットに接続した状態でパソコンをつけっぱなしにしていると、ウイルスなどの被害に合う危険性が高まるからです。
セキュリティソフトなどの対策をきちんとしていればほとんどの場合問題ないようですが、アップデートなどを実行しないまま常にオンライン状態になっている場合などは、脆弱性につけこまれてサイバー攻撃を受けてしまうということも考えられます。
電源が入っていなければウイルスが入り込むことはないため、常時電源が入りっぱなしの状態よりはリスクを下げられるでしょう。
このように、パソコンをつけっぱなしにするのはセキュリティ面で危険なため、注意が必要です。
パソコンつけっぱなしは寿命が縮むおそれがある
パソコンをつけっぱなしにしていると、パソコンの寿命が縮むおそれがあります。
なぜなら、発熱等によってパーツに負荷がかかるためです。
パソコンが稼働していると、それによって熱が発生します。
発生した熱はファンなどで排出されますが、長時間本体がつけっぱなしになっていると熱がこもってしまうこともあります。
熱がこもった結果、内部のパーツが熱にさらされ続けて劣化してしまいパソコンの寿命が縮んでしまうというわけです。
このように、パソコンをつけっぱなしにしているとパーツに負担がかかり本体の寿命が縮むおそれがあります。
パソコンつけっぱなしは火事などの災害の原因に
パソコンをつけっぱなしにしていると、熱がこもり発火する可能性があるため注意が必要です。
実際に、ノートパソコンが燃えるという事故が記事になっています。
柏崎刈羽原発の免震重要棟で火災 パソコンから出火
こちらの火災の原因は調査中ですが、いずれにしてもパソコンが原因で火災が発生するケースはあるということですね。
パソコンが発熱した際にホコリが溜まっていると引火するおそれもあるので、定期的な清掃も行いたいところです。
大型で冷却性能が優れているパソコンであれば発熱の影響は少ないようですが、小型のパソコンやエアフローに優れていないパソコンの場合は注意が必要です。
このように、パソコンをつけっぱなしにすることで火事などの災害が発生する可能性があります。
パソコンつけっぱなしは本体が壊れる可能性がある
パソコンをつけっぱなしにすると、本体が壊れてしまう可能性もあるため注意が必要です。
本体が故障してしまう理由としては、発熱などが挙げられます。
たとえば、冷却性能に優れない小さめのパソコンやノートパソコンをつけっぱなしにしていると、放熱が追いつかずに熱暴走を起こし、故障してしまうおそれもあるのです。
冷却性能に優れるゲーミングPCなどは問題がないことも多いのですが、通常のパソコンをつけっぱなしにしている場合は温度が上がりすぎていないか確認してみるとよいでしょう。
ハードディスクの温度や健康状態を調べられるソフトについて解説した記事もありますので、気になる方はぜひ読んでみてください。
ハードディスクの寿命の診断、Cristal Disk Infoの使い方
一日パソコンをつけっぱなしにすると電気代が高くなる
パソコンをつけっぱなしにすると、電気代が高くなるおそれがあるため注意が必要です。
たとえば、パソコンを1ヶ月つけっぱなしにした場合、500〜4,000円ほどの電気代がかかる可能性があります。
パソコンの1時間あたりの電気代の計算方法は、以下の通りです。
- 消費W÷1000×1kWhの電気料金
(ここでは31円とします※全国家庭電気製品公正取引協議会(2023年2月時点))
デスクトップパソコンの場合、消費電力は30〜150Wほどのため、1時間あたり0.93〜4.65円の電気料金が発生すると仮定できます。
これを一日つけっぱなしにすると22.32〜111.6円の料金がかかることになり、30日間では669.6〜3,348円の電気代が発生するという計算です。
もちろん、パソコンの機種や使用状況、電気料金はそれぞれですので、この範囲におさまらない場合もあるでしょう。
どのみち、パソコンをずっとつけっぱなしにすると、電気代はそれなりに発生するということですね。
ノートパソコンをスリープ状態でつけっぱなしにするのは良くない?
ノートパソコンをスリープ状態でつけっぱなしにしている方も多いかもしれませんが、上記で解説したようにつけっぱなしにはリスクも存在します。
こちらの項目では、ノートパソコンをスリープでつけっぱなしにすることに対して、以下のような視点から解説します。
- 電気代
- バッテリー
- ホコリなど
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
電気代はそれほどかからない
ノートパソコンをスリープでつけっぱなしにする場合、電気代に関してはそこまで気にする必要はないと言えるでしょう。
なぜなら、ノートパソコンをスリープ状態にしている場合の1時間あたりの消費電力は1W前後だからです。
先程の計算方法を使うと、1W÷1000×1kWhの電気料金(31円)=1時間あたりの電気代は0.031となり、
- 1日(24時間)で0.744円
- 30日間で22.32円
となります。100円もしないというわけですね。
なお、こちらは1ヶ月間スリープにしている場合の消費電力での計算のため、実際には使用している時間の電力がかかります。
このように、ノートパソコンをスリープでつけっぱなしにする場合でも、1ヶ月の電気代はそれほどかからないと言えるでしょう。
バッテリーの劣化問題
その他には、バッテリーの劣化問題が挙げられます。
スリープ状態にしてノートパソコンをつけっぱなしにしている人は、電源アダプターなども繋いでいると思いますが、これによってバッテリーが劣化するおそれも考えられるのです。
バッテリーが取り外せるノートパソコンであれば、取り外してアダプターから電源を取ると良いかもしれません。(最近では取り外せないものも存在します)
バッテリーに関しては各メーカーからさまざまな見解が出ていますので、自分の使っているノートパソコンのメーカーを確認してみるとよいでしょう。
ホコリが溜まりやすい・掃除しづらい
ノートパソコンをつけっぱなしにしておくと発熱により溜まったホコリが発火する可能性もあります。
ノートパソコンはデスクトップパソコンと比較して内部の掃除などがしづらいため、ホコリが溜まってしまうこともあります。
さらに、放熱性能などがデスクトップパソコンと比較して低いため、つけっぱなしで発火してしまうおそれもあるのです。
このように、ノートパソコンは掃除しづらくホコリも溜まりやすいため、つけっぱなしにしておくと災害の原因になる可能性もあります。
スリープであればあまり問題はないかもしれませんが、定期的に軽く掃除をするだけでもシャットダウンする機会にもなってよいのではないでしょうか。
ノートパソコンの掃除をしたいという方は、こちらの記事もおすすめです。
ノートパソコンを長持ちさせる掃除方法!ポイントや依頼する際の料金も解説
パソコンをつけっぱなしにするメリット
上記の項目では、パソコンをつけっぱなしにすることのデメリットについて解説しました。
一方で、パソコンをつけっぱなしにした場合には以下のようなメリットがあります。
- すぐに使える
- いつでもリモートアクセスできる
ただし、パソコンをつけっぱなしにすると上記で解説したようにセキュリティ面や発熱のおそれがあるため、それらを考慮する必要はあるでしょう。
すぐに使える
パソコンをつけっぱなしにしておくと、使いたい時にすぐに使えるのがメリットです。
電源がオフになっている状態から起動すると、15秒〜2分ほどの時間がかかります。
パソコンのスペックやSSDを利用しているかHDDを利用しているかなどでも異なりますが、起動には少し時間が必要というわけです。
ちょっとした作業をするためにいちいち起動時間を待つのも面倒くさいという方もいるでしょうし、そのためにつけっぱなしにしているというケースも多いと思います。
つけっぱなしであれば、調べ物をしているブラウザのタブや使っているアプリなどもいちいち開き直す必要もありません。
このように、パソコンをつけっぱなしにしておくとすぐに作業に取りかかれるという利点があります。
いつでもリモートアクセスできる
パソコンをつけっぱなしにしておくと、離れた場所からリモートアクセスができるというメリットもあります。
アプリケーションなどを利用してリモートアクセスを行いたい場合、基本的には接続される側のパソコンが起動していなければなりません。
電源がオフだとそもそも接続されていることもわからないですし、接続側も受信側を見つけられないからです。
アクセスがあった場合にサーバーを介して本体の電源を入れられるものも存在しますが、BIOSなどの設定が必要になります。
上記のようなアプリ・サービスを利用して、会社で使用しているパソコンに自宅から接続するために本体をつけっぱなしにしていることもあるでしょう。
昨今では在宅勤務も増加しているため、いつでもアクセスできるというのはメリットですね。
このように、パソコンをつけっぱなしにしておくことで遠くからいつでもリモートアクセスできるという利点があります。
どうしてもパソコンをつけっぱなしにしなければならない場合
リモートアクセスやデータ収集などの目的があってどうしてもパソコンをつけっぱなしにしなければならない場合は、冷却性能に優れたデスクトップパソコンやゲーミングPCを使うのがよいでしょう。
なぜなら、小型のパソコンや通常のノートパソコンでは、放熱性能に不安がありパーツ劣化や発火のおそれもあるためです。
パソコンをつけっぱなしにしても問題なさそうだと思っている方も多いかもしれませんが、先に紹介したように本体の発火による火災の発生事例は存在します。
そのため、温度が高くなりすぎないようにする工夫を施すか、できる限り発熱の耐性が強いパソコンを用意するのがおすすめです。
このように、どうしてもパソコンをつけっぱなしにしなければならない場合は、冷却性能・エアフローに優れたデスクトップパソコンや、ゲーミングPCを使うとよいでしょう。
セキュリティ対策にも力を入れ、ウイルスなどを寄せ付けないように注意して使用してください。
まとめ:パソコンはできるだけつけっぱなしにしないようにしましょう
今回の記事では、パソコンをつけっぱなしにすることは推奨しないという結論に至りました。
なぜなら、セキュリティ面を含めさまざまな部分で問題が発生するおそれがあるためですね。
使っているパソコンや使い方によっては電気代にも影響する可能性があるので、使わない場合は電源オフにしておくとよいでしょう。
ただし、あまり頻繁に電源をオン・オフすると、かえって電力を消費してしまったり、HDDやSSDに負担をかけたりしてしまいます。
1時間程度の休憩であればスリープ状態にしておくのがおすすめです。
それ以外ではなるべくパソコンはつけっぱなしにせず、就寝時などは電源を切っておきましょう。