今回は、パソコンのCドライブを丸ごとコピーしてHDDをSSDに引っ越しする方法を解説します。
パソコンを使っていて、最近重い、動作が遅いと感じている場合、HDDをSSDに交換すると動作が速くなる可能性があります。
ただし、HDDからSSDへのデータ移行方法は、ハードディスクに障害がない場合とある場合では異なるため、はじめに確認が必要です。
ハードディスクに障害がなければ、アプリを利用したHDDからSSDへの移行が可能です。しかし、障害がある場合には、エラースキップ機能付きのデュプリケーターを使う必要があります。
デュプリケーターの使い方は、ハードディスク(HDD)、SSDのクローンの作り方 障害がある時の解決方法をご覧ください。
また、ハードディスクに障害があるかどうかは「Crystal Disk Info」などのフリーソフトで確認できます。
→ハードディスクの寿命の診断、Cristal Disk Infoの使い方
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無料のアプリを使って丸ごと引越しする方法
CドライブをHDDからSSDに引っ越しする際には、無料のアプリを使いクローンを作成するという方法があります。
この方法を使えるのは、先述したとおりハードディスクに障害がない場合です。
また、アプリを使用してクローンを作成する前に、SSDの初期化とフォーマットをおこない、SSDをパソコンに認識させる必要があります。
クローンを作成できるアプリには以下のようなものがあります。
- MiniTool ShadowMaker Freeでクローンを作成して引越しする方法
- Macrium Reflect 8 Freeでクローンを作成して引越しする方法
- AOMEI Backupper Standardでクローンを作成して引越しする方法
MiniTool ShadowMaker Freeでクローンを作成して引越しする方法
MiniTool ShadowMaker Freeはフリーで利用できるバックアップ用ソフトです。
バックアップデータは独自のMPI形式で保存されます。
また、クローンディスクの作成にも対応しています。
【MiniTool ShadowMaker Freeでクローンを作成して引っ越しする方法】
- MiniTool ShadowMakerをリンクより入手
- ソフトを起動
- 必要であれば右上のメニューより言語を選択、再起動
- パソコンに移行先のSSDを接続
- 「ツール」を選択
- 「ディスククローン」を選択
- 「ソース」にコピー元のディスクを選択
- 「宛先」にコピー先のディスクを選択
- 「OK」を選択
Macrium Reflect 8 Freeでクローンを作成して引越しする方法
Macrium Reflect 8 Freeも指定したディスクやパーティションをバックアップできるソフトです。
クローンのほかに、スケジュールバックアップ機能や復元機能なども付いています。
詳しいMacrium Reflect 8 Freeの使い方はこちら→フリーソフト、Reflect 8 Freeを使ってハードディスクのクローンを作ってSSDに換装する方法
【Macrium Reflect 8 Freeでクローンを作成して引っ越しする方法】
- Macrium Software | Reflect Free Editionをリンクより入手
- ソフトを起動
- クローン元ディスクにチェックを入れる
- 「Clone this disk」を選択
- 「Select a disk to clone to」を選択
- クローン先ディスクを選択
- 「Next」を選択
- 「Finish」を選択
AOMEI Backupper Standardでクローンを作成して引越しする方法
AOMEI Backupper Standardは無料のバックアップソフトです。
ディスクのクローンには制限があります(無料版の場合、オペレーティングシステムの入っているHDDまたはSSDをクローンする際にはMBRディスクからMBRディスクへのクローンのみが無料となっています)
また、自動同期やメールによる通知機能などもあります。
【AOMEI Backupper Standardでクローンを作成して引越しする方法】
- AOMEI Backupper Standard をリンクより入手
- ソフトを起動
- 「クローン」タブを選択
- 「ディスククローン」を選択
- クローン元のディスクを選択
- 「次へ」を選択
- クローン先のディスクを選択
- 「次へ」を選択
- 希望のオプションを選択
- 「開始」を選択
Cドライブのクローンを作ったらWindowsが起動しない場合の解決方法
Cドライブのクローンを作りHDDをSSDに交換したけれどWindowsが起動しないという場合があります。これは、障害が起きていたHDDのクローンを作ってしまい、そのままでは起動しないというケースです。
また、アプリを使ってクローンを作った場合もエラーが出て起動しない場合があります。
このような場合は、以下のような対処法を試してみてください。
- コマンドプロンプトでCHKDSKやSFC /SCANNOWで修復する
- SSDをアクティブにする方法
- MBRを再構築する方法
- 0xc000000eのエラーになる場合の解決方法
コマンドプロンプトでCHKDSKやSFC /SCANNOWで修復する
Cドライブのクローンを作ったらWindowsが起動しないという場合は、コマンドプロンプトを使用しCHKDSKやSFC/SCANNOWで修復をおこなうことで問題が解決する可能性があります。
【CHKDSKで修復をおこなう方法】
- 「Windows」キー+「R」キーを同時に押す
- 「ファイル名を指定して実行」ウインドウが表示されるので、「cmd」と入力
- 「Ctrl」キー+「Shift」キー+「Enter」キーを同時に押す
- 「コマンドプロンプト」が開く
- 「chkdsk ○○:/f」「chkdsk ○○:/r」「chkdsk ○○:/f /r」「chkdsk ○○:/f /r /x」(○○にはチェックしたいドライブ文字を入力)といったコマンドを入力する
- 「Enter」キーを押す
【SFC/SCANNOWで修復をおこなう方法】
- 検索ボックスに「cmd」と入力
- 「コマンドプロンプト」を右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- 「コマンドプロンプト」のウインドウが表示される
- 「sfc/scannow」と入力
- 「Enter」キーを押す
SSDをアクティブにする方法
Cドライブのクローンを作ったけれどWindowsが起動しないという場合は、SSDをアクティブにすることで問題が解決する可能性があります。
【SSDをアクティブにする方法】
- 元のハードディスクをセット
- SSDをUSBで外付け接続する
- 元のハードディスクからパソコンを起動
- 「Windows」キー+「R」キーを押す
- 「diskpart」と入力
- 「Enter」キーを押す
- 「list disk」と入力し、「Enter」キーを押す
- 「select disk ○○」(○○にSSDのディスク番号)を入力し、「Enter」キーを押す
- 「list partition」と入力し、「Enter」キーを押す
- 「select partition □□」(□□にはSSDのシステムパーティション番号)と入力し、「Enter」キーを押す
- 「active」と入力し、「Enter」キーを押す
MBRを再構築する方法
Cドライブのクローンを作ったけれどWindowsが起動しないという場合は、MBRを再構築することで問題が解決する可能性があります。
MBRとはマスターブートレコードのことで、HDDなどの記憶装置の先頭にある小さな領域です。MBRはコンピューターを起動する際、最初に読み込まれます。そのため、MBRに何らかの問題が発生していると、OSが起動しない可能性もあります。
このような場合には、MBRの修復・再構築が必要です。
【MBRを再構築する方法】
- Windowsリカバリーディスクから修復環境にて起動
→リカバリーディスクはUSBやDVDなどに作成できます。
【リカバリーディスク作成方法】
-
- リカバリーディスクを作成するメディアをPCに接続
- パソコンを起動
- 「スタート(Windowsマーク)」を選択
- 「Windowsシステムツール」を選択
- 「コントロールパネル」を選択
- 「コントロールパネル」の検索欄に「回復」と入力
- 「回復ドライブの作成」を選択
- 「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」にチェックを入れる
- USBやDVDが「使用可能なドライブ」と認識されていることを確認し「次へ」を選択
- 「次へ」を選択
- 「トラブルシューティング」を選択
- 「詳細オプション」を選択
- 「コマンドプロンプト」を選択
- 「bootrec.exe /fixmbr」と入力し「Enter」キーを押す
- 「bootrec.exe /fixboot」と入力し「Enter」キーを押す
- 「bootrec.exe /scanos」と入力し「Enter」キーを押す
- 「bootrec.exe /rebuildbcd」と入力し「Enter」キーを押す
0xc000000eのエラーになる場合の解決方法
Cドライブのクローンを作ったけれど0xc000000eのエラーが起きてしまう場合、下記の方法で問題が解決する可能性があります。
【0xc000000eエラーの解決方法】
- 内部のSSDのほかに外付けのディスクなどが接続されている場合は、起動優先順位がそちらのほうが高くなっている可能性があるため確認する
- それでも解決しない場合、リカバリーディスク(→MBRを再構築する方法)からコマンドプロンプトを起動
- 「bootrec /rebuildbcd」を入力し「Enter」キーを押す
- 「bootrec /fixboot」と入力し「Enter」キーを押す
- プロセス終了後PCを再起動
- エラーが起きないかどうか確認する
それでも解決しない場合、スタートアップ修復をしてみてください。スタートアップ修復は詳細オプション内から選択可能です。
データを丸ごとコピーして引越しする方法(パソコンを新しくする場合)
HDDをSSDに交換するのではなく、パソコンを新しくしてしまおうと考えている方にはこちらの方法がおすすめです。
新しいパソコンで前のパソコンで使っていたデータやファイルを使いたい場合、アプリなどは再インストールする必要がありますが、データであればコピーして引越しすれば良いでしょう。
下記に詳細を記載しました。
- アプリを使って丸ごと引越しする方法
- ケーブルを使って丸ごと引越しする方法
- 外付けハードディスクなどを使って丸ごと引越しする方法
アプリを使って丸ごと引越しする方法
前のパソコンから新しいパソコンにデータを移行したい場合、バックアップソフトを使用するという方法があります。
バックアップソフトについては先述していますので、参考にしてください。
その他にも、クラウドサービスを利用してデータを引っ越すという方法があります。データサイズなどによって使い分けると良いでしょう。
ケーブルを使って丸ごと引越しする方法
前のパソコンから新しいパソコンへデータを移行したい場合、ケーブルを使うという方法もあります。
パソコン同士をUSBリンクケーブルで繋いで、データを移行できるので簡単です。
データの移行は、普段データをフォルダから他のフォルダへ移すように、ドラッグ&ドロップでおこなえます。
手順はシンプルですがデータサイズによっては時間がかかる可能性もあります。
LANケーブルでデータ移行をおこなう方法もありますので、適した手段でデータ移行できると良いですね。
外付けハードディスクなどを使って丸ごと引越しする方法
前のパソコンから新しいパソコンへデータ移行をしたい場合で、外付けHDDを使用しているのであれば、前のパソコンから新しいパソコンへHDDを接続し直すだけで完了です。そのため、データ自体を移行する必要はないといえます。
Cドライブを丸ごとコピーしてHDDをSSDに引越しする方法まとめ
今回は、Cドライブを丸ごとコピーしてHDDをSSDに引っ越しする方法を解説しました。
HDDからSSDへの交換、換装は、一見難しいようですがフリーソフトなどを利用すれば比較的容易におこなえます。
ただし、元のHDDにエラーがあり修復できない場合にはうまくいかないこともあります。その場合は、先述したとおりエラースキップ付きデュプリケーターが必要です。
また、HDDの交換ではなく、新しいパソコンを用意してデータを移行したい場合についても解説しました。
パソコンを変えても前のパソコンと同じデータを使いたい場合は多いと思います。手順としては、前のパソコンから新しいパソコンへデータをコピーまたは移動すれば良いので簡単です。ケーブルで繋いだり、インターネットやクラウド、アプリケーションを利用したデータ移行も可能ですので、状況に合わせた方法を活用してみてください。