HEMSの施工と設定
これから増えそうな案件としてHEMSがあります。
HEMSはHome Energy Management Systemの略で、わかりやすく言えば家の電気、ガス、水道などを効率よく売買してくれるシステムです。
電力会社の電気だけでなく、太陽光発電、エコキュート、エネファーム、電気自動車の電気を、例えば深夜の安い電気で蓄電して昼間蓄えた電気を使うなどということもしてくれます。
これから建てる家はほぼこのシステムが導入されるでしょう、大手のハウスメーカーはすでにHEMSは標準装備になりつつあります。
先日、ある大手のハウスメーカーのHEMSの研修に参加したので備忘録です。
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確認事項
まず、HEMSの設定を行う前に確認するのは分電盤です。
分電盤には必ずCT(Current Transformerの略で、計器用変流器のこと)が取り付けられています。
太陽光発電やエネファーム、エコキュートから分電盤に電線が入っていてブレーカーを通って各部屋へ配線されています。
この各装置から分電盤に入ってくる電線にCTが取り付けられているか、そしてCTの向きは正しいかチェックします。
上の画像は太陽光発電からブレーカーに入っている電線に取り付けられているCTです。ブレーカーに向かう方向に矢印を合わせます。
もし逆に付いていると、日中に太陽光発電が機能していたら発電量がマイナスやゼロになってしまいます。
ただ、これは後で接続するモニターで確認できます。
分電盤の横にロガーがあるので、ディップスイッチを確認しておきます。
ロガーは、HEMSのメーカーによって違うでしょうが、これが間違っているとモニターでの確認ができないので注意が必要です。
取説をみながら確実に確認します。
情報ボックスの確認と設定
次に情報ボックスでの作業です。この頃は情報ボックスは分電盤の近く、または、2階のクローゼットの中などに設置されています。
電話、インターネット、TVアンテナなどのケーブルやハーネスが集まっているボックスです。
中央やや右の黒い箱がホームサーバーで、HEMSの主装置です。
これも、各メーカーで仕様が違うでしょうが、基本は電源とLANケーブルを接続して、モニター(タブレットまたはスマートフォン)とWi-Fi接続します。
タブレットやスマートフォンを接続すればこのようにエネルギーの流れが見えます。
この状態になれば、後は動作確認です。
太陽光発電、エネファーム、エコキュートを動かしてみてタブレットで確認。
各コンセントでヘアードライヤーを動かして表示の確認、同じようにガス、水道の表示を確認します。
最後に
各場所の撮影です。
分電盤、各CT、ロガー、情報ボックス、動作中のモニターを撮影します。
撮影した画像は、後でレポートを作成してメーカーに送ります。
この作業は電気工事店ではやらないようなので、PCの修理や設定を行っている我々がやるようです。