今回は、Windows 10やWindows 11のパソコンを廃棄するときにデータを完全に消去する方法を解説します。
不要なパソコンを廃棄する際に保存されているデータを削除しないと、情報漏洩の危険があります。
しかし、ただデータを削除するだけでは復旧されてしまい、悪用される可能性も考えられるため、完全に消去する必要があります。
ソフトなどを使用してデータを削除する方法のほか、データ消去の際の注意点などについても解説しています。
パソコンを廃棄する時にデータ消去をソフトで行う方法
こちらの項目では、パソコンを廃棄する際に使えるデータ消去ソフトについて解説します。
● データ消去ソフトは無料と有料のどちらがいいのか
● データ消去ソフトおすすめ
データ消去ソフトは無料と有料のどちらがいいのか
データ消去ソフトには、無料と有料のものがあります。
しかし、無料だとデータを消せないということではありませんので、きちんとしたソフトであれば無料でも問題ないでしょう。
反対に信頼性にかける無料ソフトだと、削除してもデータ復元ソフトで復元できてしまうものもあるようです。
また、有料と無料の差は、データ削除のスピードや、それにかかる手順・手間です。
その他にも、対応しているOSなどの幅広さも異なるでしょう。
時間があり多少の手間がかかっても構わないという方は無料ソフト(ただし信頼できるソフトであること)でも良いでしょうし、より素早く簡単に、確実にデータを消去したいという方には有料ソフトがおすすめであると言えるでしょう。
データ消去ソフトおすすめ
パソコンを廃棄する際にデータを完全に削除したいという場合に使えるソフトは、以下のようなものです。
データ消去用ソフトには無料のものと有料のものがありますので、今回は、無料ソフトと有料ソフトをひとつずつ紹介します。
● 無料ソフト:File Shredder
● 有料ソフト:ターミネータ10plus データ完全抹消
無料ソフト:File Shredder
File Shredderは無料のデータ消去ソフトです。
完全に消去したいデータをドラッグ&ドロップし、「Start」ボタンを押すことで簡単にデータ消去をおこなえます。
また、データ削除の方式を設定で変更することもできます。
削除の方式にはいくつかありますが、シンプルに1回上書きというものから、3回上書き、7回上書き、35回上書きというものもありますので、用途や目的によって変更すると良いでしょう。
File Shredderは、下記のリンクより入手できます。
File Shredder
ターミネータ10plus データ完全抹消
ターミネータ10plus データ完全抹消は有料のデータ消去ソフトです。
OSを含むデータを完全に消去できます。
標準価格は5,378円(税込)となります。
低スペックのPCでも使用でき、個人利用であれば何台でも使えるのが魅力です。(法人は3台まで)
ターミネータ10plus データ完全抹消は下記リンクよりご覧になれます。
http://www.finaldata.jp/terminator/pkg/
データ消去できないパソコンを廃棄する時の注意点
データを消去して廃棄したいパソコンがあるのに、本体の不具合などでデータを削除できない、という場合もあるかもしれません。
そのような場合には、以下のような方法でデータを消去すると良いでしょう。
● HDDを取り出して他のPCに接続してデータを消去する方法
● 物理的にHDDを破壊する方法
HDDを取り出して他のPCに接続してデータを消去する方法
パソコンのデータを削除して廃棄したいけれど、本体に電源が入らないためにデータを削除できないという場合は、中のHDDを取り出して他のPCに接続するという方法があります。
この場合は、他のPCにHDDを接続し、先述したデータ削除ソフトなどを用いてデータを完全に削除すると良いでしょう。
これでもHDDなどに問題がありデータの削除が難しいという場合は、次に挙げる「物理的にHDDを破壊する方法」を参考にしてください。
物理的にHDDを破壊する方法
データ消去できないパソコンを廃棄する際には、HDDを取り出して物理的に破壊してしまうという方法も考えられます。
つまり、文字通りハンマーなどでディスクを破壊するということです。
その場合は、HDDの外側だけではなく、中身のディスクまでしっかりと破壊する必要があるでしょう。
できれば、HDDのデータ削除処理をした上で破壊すれば復元されてしまう可能性をさらに下げられます。
パソコンを廃棄する時に自分でデータ消去する場合の注意点
パソコンを廃棄する際に自分でデータ消去をする場合の注意点として、以下のようなものがあげられます。
● データのバックアップを取っておく
● HDDを破壊する場合の注意点
データのバックアップを取っておく
パソコンを廃棄する際にデータ消去をしたい場合、まずはデータのバックアップを取っておきましょう。
重要なデータがないと思ってデータ削除してしまったら、実は必要なデータがあった……ということになってしまっては大変です。
そのようなことが起こらないように、データ消去する前には必ず別のメディアやクラウドなどを用いてバックアップを取っておきましょう。
HDDを破壊する場合の注意点
自分でHDDを破壊してパソコンのデータを消去する場合の注意点は、作業中の怪我の可能性があること、破壊する部分によっては売却が難しくなるということです。
HDDを破壊する際にはハンマーなどを使いますので、その際に怪我をしないように注意する必要があります。道具による負傷も考えられますが、HDDを破壊した際に部品の破片が飛び散る可能性がありますので、十分に注意しましょう。
また、HDDを破壊する際には、HDDをパソコン本体から取り出す必要があります。
その際にパソコン本体を破壊してしまうと、当然ですが本体の状態は悪化するでしょう。
本体が傷つけば、売却自体できなくなる可能性が高くなってしまいます。
そのため、パソコンの売却を考えている場合、パソコンの本体を傷つけてしまうことがないよう、HDDの取り出しは慎重におこなうようにしてください。
パソコンの廃棄をヤマダ電機に持ち込みデータ消去もしてもらえるのか?
パソコンの廃棄をしたいという場合、ヤマダ電機に持ち込むという方法もあります。
ヤマダ電機では、パソコンの廃棄を無料でおこなっているようです。
事前の申込みなどは不要で、パソコンを店舗に持っていくか、佐川急便などに依頼して下記の住所に送ると処分してもらえます。
〒321-0602 栃木県那須烏山市大桶970
パソコン処分サービス
また、ヤマダ電機で回収されたパソコンはすべてデータ消去がおこなわれるとのことですので、安心です。
廃棄の場合はパソコンの回収もデータ消去も無料でおこなってくれるということですので、店舗で相談してみて、利用するのも良いでしょう。
パソコンのデータを消去して初期化する方法
パソコンを廃棄するのではなく他の人に譲渡したり、ショップなどで売却したい場合には、下記のような方法でデータを削除することをおすすめします。
● データ消去ソフトを使用する
● 初期化、クリーンインストールをおこなう
また、パソコンのデータ消去を実行する前には、必ずバックアップを取ってください。
データ消去ソフトを使用する
パソコンを廃棄するのではなく譲渡、売却したいという場合でも、データ消去は確実におこなっておく必要があります。
理由は、データを普通に削除しただけだと、譲渡・売却によって他人の手に渡った際に悪用されてしまう危険性があるためです。
したがって、譲渡、売却という手段でパソコンを手放す場合でも、データ消去ソフトなどを用いて完全にデータを削除する必要があるというわけです。
データ消去ソフトを使用したデータ完全消去の方法は先程の項目で解説していますので、参考にしてみてください。
→パソコンを廃棄する時にデータ消去をソフトで行う方法
初期化、クリーンインストールをおこなう
データ消去を完全におこなったら、初期化やクリーンインストールをおこなってパソコンを出荷時の状態に戻しておきましょう。
注意点としては、初期化だけでは完全なデータ消去はおこなえないため、先程の項目にて解説したデータ消去ソフトなどによる完全なデータ消去をおこなう必要があるということです。
完全にデータ消去をしたうえで、初期化やクリーンインストールを行いましょう。
【パソコンを初期化する方法】
1. 「スタート(Windowsマーク)」を選択します。
2. 「設定」を選択します。
3. 「Windowsの設定」から「更新とセキュリティ」を選択します。
4. 「回復」を選択します。
5. 「このPCを初期状態に戻す」を選択します。
6. 「開始する」を選択します。
7. 「すべて削除する」を選択します。
8. 「すべてのドライブ」を選択します。
9. 「ファイルを削除してドライブのクリーニングを実行する」を選択します。
10. 「このPCをリセットする準備ができました」と表示されたら「リセット」を選択します。
【パソコンをクリーンインストールする方法】
1. インストールメディアを作成しておきます。
1.1. Windows 10 のディスク イメージ (ISO ファイル) のダウンロードからファイルを入手します。
1.2. ツールを実行します。
1.3. 「別のPCのインストールメディアを作成する」を選択します。
1.4. エディション、bitを設定します。
1.5. 「別のPCのインストールメディアを作成する(USBフラッシュドライブ、DVD、またはISOファイル)」を選択します。
1.6. 「次へ」を選択します。
1.7. 使用するメディアを選択します。
2. インストールメディアを作成したらクリーンインストールしたいパソコンに接続します。
3. Windowsを起動します。
4. 接続したインストールメディアを開き、「Setup」を実行します。
5. 「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」を選択します。
6. (ISOファイルの場合は右クリックし、「プログラムから開く」を選択後、「エクスプローラー」を選択して「OK」を選択します。
7. 「重要なプログラムをインストールします」と表示されたら、「更新プログラムをダウンロードしてインストールする」を選択します。
8. ライセンス条項が表示されたら、「同意する」を選択します。
9. 「引き継ぐものを変更」を選択します。
10. 「何もしない」を選択します。
11. 「インストールする準備ができました」と表示されている画面にて、「何も引き継がない」と表示されていることを確認します。
12. 「インストール」を選択します。
13. クリーンインストールが実行されます。(数回再起動されますがそのままで待機してください)
14. クリーンインストール完了後に再起動すると、準備が完了次第初期設定画面に入ります。
パソコンを廃棄する時にデータを完全に消去する方法まとめ
今回は、パソコンを廃棄するときにデータを完全に消去する方法を解説しました。
パソコンを廃棄する際に注意すべきなのは、情報漏洩です。
個人情報などの大切なデータが他人の手に渡らないよう、パソコンを廃棄、譲渡、売却などする際には必ずデータを消去しましょう。
また、データを削除すると言っても、ファイルをただゴミ箱に入れるだけでは完全に消去できたとは言えません。
完全に消去されていないデータは、ツールなどによって復元されてしまう可能性があります。
そのため、パソコンのデータを完全に消去するソフトなどを活用し、しっかりとデータを削除しておきましょう。
たとえ初期化やクリーンインストールをおこなっても復元ツールでデータが見られる可能性もありますので、データの完全消去と合わせておこなうと良いでしょう。
パソコン上でソフトを利用してデータを削除する以外にも、物理的に破壊してしまうという方法もあります。
ただし、この場合は負傷の危険がありますので注意が必要です。
また、廃棄するPCに必要なデータが入っている場合には、データを消去する前にコピーする、バックアップするなどしておきましょう。