SSD換装でクローンが失敗してしまう原因には、以下のようなものが挙げられます。
- HDDに障害がある
- クローン元より少ない容量のディスクにクローンしようとしている
- エラースキップ機能がないデュプリケーターを使用している など
適切なクローン方法を選べていないために、上記の失敗が発生してしまうことも少なくありません。
たとえば、HDDに障害がある場合などはアプリケーションを使うべきではないと言えるでしょう。
今回は、上記のようなクローン失敗の原因と解決方法について解説します。
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HDDやSSDからの換装でクローンが失敗する原因と解決方法
HDDやSSDから換装する際クローンに失敗する原因には、以下のようなものが挙げられます。
- 容量が元のHDD/SSDよりも小さい
- 元のHDD/SSDに障害が発生している
- 暗号化設定されている
詳しくは下記の項目で説明しますが、上記のような原因でクローンが失敗する場合は適切なツールや適切な容量のクローン先SSDを選べていない可能性があります。
こちらの項目では、上記のような失敗の原因と解決方法を解説します。
また、以下の記事ではクローンの作成方法や失敗してしまう時の解決方法を解説しています。
→ハードディスク、SSDのクローンの作り方失敗する時の解決方法
容量が元のHDD/SSDよりも小さい
クローン先のSSDの容量が元のHDD/SSDよりも小さい場合、クローンが失敗する可能性があります。
このケースでクローンが失敗してしまう理由としては、以下の2つが挙げられます。
- デュプリケーター(データコピー用の専用機器)を使用している
- アプリケーションが大容量から小容量のクローンに対応していない
たとえば、デュプリケーターでは、「1TB」のHDDを「500GB」のSSDにクローンすることはできません。
逆を言えば、「500GB」のHDDを「1TB」のSSDにクローンすることはできます。
また、同じサイズ同士でクローンすることも大体可能です。
このように、今使っているHDD/SSDより小さいサイズのSSDへのクローンはデュプリケーターでは不可能ですので、注意が必要です。
大容量のHDDから小容量のSSDにクローンしたい場合は、対応したアプリケーションを使用しましょう。
元のHDD/SSDに障害が発生している
クローン元のHDDに障害が発生している場合、HDDやSSDからの換装でクローンが失敗する可能性があります。
このケースでクローンが失敗してしまう理由としては、以下の2つが挙げられます。
- アプリケーションを使用している
- エラースキップ機能のないデュプリケーター(データコピー用の専用機器)を使用している
基本的には、障害が起きているHDDをアプリケーションでクローンしようとすると失敗してしまうケースが多いです。
また、デュプリケーターのなかには、エラースキップ機能があるものとないものが存在しています。
アプリではなくデュプリケーターを使用してクローンしても失敗してしまう場合は、使っているデュプリケーターにエラースキップ機能がついているか確認してみてください。
このように、クローン元のディスクに障害が発生している場合は、使用するツールを間違えるとクローンに失敗してしまう可能性があります。
Bitlockerなどの暗号化設定されている
Bitlockerなどの暗号化設定がおこなわれていると、HDDやSSDのクローンに失敗してしまう可能性があります。
理由は、暗号化によってデータへのアクセスが制限されるためです。
暗号化を解除するには、以下の手順を実行してください。
【Bitlockerを無効にする方法】
- 管理者アカウントにサインインします。
- 「スタート(Windowsマーク)」を選択します。
- 「Windowsシステムツール」を選択します。
- 「コントロールパネル」を選択します。
- 「システムとセキュリティ」を選択します。
- 「Bitlockerドライブ暗号化」を選択します。
- 「オペレーティングシステムドライブ」の「Bitlockerを無効にする」を選択します。
- Bitlockerの暗号化解除が完了するまで待機します。
このように、Bitlockerなどの暗号化設定によりクローンに失敗する場合は、上記の手順で暗号化を解除してから実行してみてください。
SSDクローン後、BIOS(UEFI)で認識するが起動しない場合の原因と解決方法
SSDをクローンした後にWindowsが起動しない場合や、BIOS(UEFI)では認識しているが起動しない場合、以下のような原因が考えられます。
- BIOS(UEFI)の起動順序が違う
- パーティション形式とブートモードが一致していない
- システムパーティションがアクティブになっていない
クローン自体は成功していても、起動の優先順位などの設定により新しいSSDが起動しないケースがあります。
このような場合は、BIOSなどの各種設定の見直しが必要です。
こちらの項目では、上記のような原因でクローン後に起動できなくなってしまう問題について解説します。
BIOS(UEFI)の起動順序が違う
BIOS(UEFI)の起動順序が適切に設定されていない場合、クローンしたSSDが正しく起動しないことがあります。
理由は、該当のディスクの起動順位が一番上になっていないためです。
PCの電源を入れると、まずBIOSというプログラムが動きます。
起動したBIOSは、設定された順位に基づいてデバイスを起動させていきます。
この時、クローン後のSSDの順位を一番上に設定しておかないと、正常に起動しない場合があります。
BIOSで起動順位を設定する場合は、以下の手順を実行してください。
【BIOSで起動順位を変更する方法】
- PCの電源を入れます。
- メーカーロゴが表示されたら、BIOS起動キー(「F2」キーなど、メーカーによって異なります)を押します。
- メニューより起動順位を変更します。
このように、BIOS(UEFI)での起動順位を変更すると問題が解決する可能性があります。
起動順位の設定が適切でないとクローンしたSSDが起動しない場合がありますので、一度確認してみると良いでしょう。
パーティション形式とブートモードが一致していない
パーティション形式とブートモードが一致していない場合、クローンしたSSDが正しく起動しないことがあります。
なぜなら、パーティション形式には2種類あり、対応するブートモードがそれぞれ異なるためです。
パーティション形式には、MBRとGPTがあります。
MBRに対応しているブートモードはLegacy、GPTに対応しているブートモードはUEFIです。
たとえば、パーティション形式がMBRにもかかわらずUEFIを選択していると、モードが一致せず起動しないという問題が起こります。
ブートモードの変更方法は以下のとおりです。
【ブートモードの設定変更方法】
- PCの電源を入れます。
- メーカーロゴが表示されたら、BIOS起動キー(「F2」キーなど、メーカーによって異なります)を押します。
- 「Boot」タブなどから、モードを変更します。
このように、BIOS(UEFI)にてブートモードを変更すると問題が解決する可能性があります。
システムパーティションがアクティブになっていない
システムパーティションがアクティブに設定されていない場合、クローンしたSSDが正しく起動しないことがあります。
理由は、OS起動用のディスクはアクティブに設定されている必要があるからです。
通常、Windowsがインストールされているパーティションが自動でアクティブに設定されています。
設定できていない場合は、以下の方法でシステムパーティションをアクティブにする必要があります。
【システムパーティションをアクティブに設定する方法】
- クローン元のHDD/SSDからPCを起動します。
クローン先のSSDは外付けで接続します。 - 起動後、「Windows」キーと「R」キーを押します。
- 表示されたボックスに「diskpart」と入力します。
- 表示されたウインドウに「list disk」と入力し、「Enter」キーを押します。
- 「select disk ○ (○はSSDのディスク番号です)」と入力し、「Enter」キーを押します。
- 「list partition」と入力し、「Enter」キーを押します。
- 「select partition □ (□はSSDのシステムパーティション番号です)」と入力し、「Enter」キーを押します。
- 「active」と入力し、「Enter」キーを押します。
- 完了後、PCを再起動します。
このように、システムパーティションがアクティブに設定されていない場合は、上記の設定を変更することで問題が解決する可能性があります。
CrucialのSSDがクローンに失敗する、認識しない場合の解決方法
CrucialのSSDがクローンに失敗してしまう場合や、認識しない場合は、以下のような方法で解決する可能性があります。
- ブータブルメディアを作成してクローンを行う
- 他のケーブルにつなぎ直してみる
- SSDを他のPCに接続してみる
CruciaのSSDでは無料の専用ソフトを利用してクローンを行えますが、失敗してしまうケースもあります。
上記のような原因でクローンに失敗してしまう場合は、こちらの項目を参考にしていただければと思います。
ブータブルメディアを作成してクローンを行う
CrucialのSSDがクローンに失敗してしまう場合は、Crucialの専用ソフトでブータブルメディアを作成してそちらからクローンを行うことで問題が解決する可能性があります。
【Crucialのソフトでブータブルメディアを作成してクローンする方法】
- データの入っていないCDまたはDVDを用意します。
- Crucialのソフトを起動します。
- 「レスキューメディアビルダ」を選択します。
- 「ACRONISブータブルレスキューメディア」を選択します。
- CD/DVDドライブを選択します。
- 「実行」を選択します。
- 作成したメディアを接続してPCを起動します。
- 「1(クローン用ソフト)」を選択します。
- 「Please wait」と表示されたら、画面が切り替わるまで待機します。
- USBにSSDが接続されていることを確認し、「ツールとユーティリティ」を選択します。
- 「ディスクのクローン作成」を選択します。
- 「自動」を選択します。
- ソースディスクとターゲットハードディスクを選択します。
- 確認事項が表示されたら「OK」を選択します。
- 「実行」を選択します。
このように、CrucialのSSDがクローンに失敗する場合は上記の手順を実行することで問題が解決する可能性があります。
他のケーブルにつなぎ直してみる
CrucialのSSDがクローン後PCに認識されない場合は、SSDを他のケーブルにつなぎ直してみると原因がわかる可能性があります。
理由は、接続しているケーブルが正しくないか、不具合を起こしているケースもあるからです。
たとえば、SSDを外付けしている状態でPCに認識されない場合は、SATAケーブルにつなぎ直すと良い場合があります。
また、SATAケーブルがいくつか存在する場合は、別のSATAケーブルにつなぐことで認識されるようになることもあるため、試してみてください。
このように、CrucialのSSDがクローン後PCに認識されない場合は、ケーブルの接続を変えてみることで原因が判明したり、問題が解決する可能性があります。
SSDを他のPCに接続してみる
CrucialのSSDがクローン後PCに認識されない場合は、SSDを他のPCに接続してみると原因がわかる可能性があります。
別のPCで接続したら認識されたという場合は、SSDを最新のファームウェアにアップデートしてから元のPCへ接続してみてください。
このように、CrucialのSSDがクローンした後PCに認識されない場合は、一度他のPCに接続すると解決につながる可能性があります。
SSD換装でクローンが失敗する原因と解決方法、起動しない場合も解説
今回は、SSD換装でクローンが失敗する原因と解決方法について解説しました。
SSDクローンが失敗する場合は、コピー元ディスクにエラーがないかなどの状況確認が必要です。
理由は、失敗の原因を見極めずにクローン再試行を繰り返しても、問題が解決しない場合もあるからです。
たとえば、HDD自体に障害がある場合は、アプリケーションを使用してのクローンは何度やっても失敗してしまう可能性があります。
上記のようにHDDに障害がある場合は、エラースキップ機能付きのデュプリケーターでクローンを実行すると良いでしょう。
このように、SSDのクローンが失敗するという場合は、原因を正確に把握して対処していくことが大切です。