Ultimate Boot CDのダウンロード、使い方、USBメモリーからの起動方法
今回は、『Ultimate Boot CD(アルティメットブートCD)』について解説します。
Ultimate Boot CDはパソコンが起動しなくなってしまったなどの問題が発生した場合に役立つツールです。
パソコンにトラブルが起きてしまった場合に備えておきたいという方はこちらを読んで、Ultimate Boot CDを作成してみてください。
クリックできる目次
Ultimate Boot CDとは
Ultimate Boot CD(アルティメットブートCD)はフリーで利用できる起動・ブート用のツールです。
配布されているサイトからデータをダウンロードし、DVDやUSBに保存しておくことで、パソコンが起動しなくなった際の修復やデータのリカバリーに利用できます。
Ultimate Boot CDのデータが入ったデバイスからパソコンをブートしてくれるという、いざというときに頼れるツールなのですね。
Ultimate Boot CDにあるアプリケーション一覧
Ultimate Boot CDには、パソコンのトラブルを解決するため・大切なデータをバックアップするための豊富なアプリケーションが含まれています。
主なアプリケーションは以下のとおりです。
- Memtest86
- Drive Fitness Test
- Offline NT Password&Registry Editor
- CmosPwd
これ以外にも、さまざまなアプリケーションがあります。
後半では、それらを項目別に分類し内容を解説しています。
Ultimate Boot CDのダウンロード、作成、起動方法
Ultimate Boot CDを利用するためには、データのダウンロードをしてDVDなどのディスクやUSBに作成しておく必要があります。
この作業をしておけば、パソコンが起動しなくなってしまった際にUltimate Boot CDを利用することができます。
こちらの項目では、下記の内容を解説しています。
- Ultimate Boot CDのダウンロード
- Ultimate Boot CDの作成(DVD・USBメモリー)
- Ultimate Boot CDの起動方法
Ultimate Boot CDのダウンロード
Ultimate Boot CDを作成するためには、データのダウンロードが必要です。
まずは、下記からUltimate Boot CDをダウンロードしましょう。
Ultimate Boot CDの作成(DVD USBメモリー)
Ultimate Boot CDをダウンロードしたら、作成手順に入ります。
また、パソコンにDVD等を入れる場所がない等の事情がありUSBで作成したい場合もあると思いますので、そちらの方法も紹介しています。
【DVDでの作成方法】
Ultimate Boot CDのデータはISOファイルというもので、ただこれをDVD等にコピーするなどしても使えません。
書き込みツールを利用して、データをDVDに書き込む必要があります。
Windows10であれば、標準で下記の手順でDVDへISOファイルを書き込むことが可能です。
- DVD等をパソコンの光学ドライブにセット
- ISOファイルを右クリック
- 「ディスクイメージの書き込み」を選択
- 「書き込み用ドライブ」を選択
- 「書き込み」を選択
【USBでの作成方法】
①まずは、ダウンロードしたデータを展開します。
(展開には解凍ソフトが必要です。例:圧縮・解凍ソフト 7-Zip)
②ソフトを展開したら、そのデータをCドライブへ移動させておきます。
その後、そのファイル名を「ub」などに変更しておくと、以降の作業がやりやすくなるでしょう。
USBにてUltimate Boot CDを作成する場合、容量は1GB以上あるものを使用しましょう。
USBで他のデータを保存していた場合は、データを消去もしくは他のものに移動し、フォーマットしておきます。
USBが用意できたら、前述のソフト展開(①)からファイル移動、ファイル名変更(②)までを行ったあと、下記の作業をします。
- USBメモリをパソコンに差し込む
- パソコン上でUSBを確認できたら、USB名についているカッコ()内にあるドライブ文字をメモしておくと良いでしょう。例:USB名(F:)の「F」など
- Cドライブ内の「ub」を選択
- 「ubcd」を選択
- 「tools」を選択
- 「win32」を選択
- 「ubcd2usb」を起動
- コマンドプロンプトが表示される
- CドライブからUSB名(F:)に移動させる場合、ubcd2usb c:\ub f: と入力
- 「successfully」と表示されるまで待つ
Ultimate Boot CDの起動方法
- Ultimate Boot CDの入ったドライブをパソコンに取り付ける
- パソコンを起動する
- ロゴが表示されている間にBIOS起動キーを押し、BIOS画面を表示させる(表示用のキーはパソコンによって異なります。例:東芝製 ESC→F1 その他:F2 など)
- BIOSのメニュー画面が表示される
- 「UEFIBIOS」等の場合は、メニュー画面の起動優先順位部分にてデバイスを一番上にドラッグして移動
- F10キーで設定を保存(保存後自動的に再起動)
- 再起動後、Ultimate Boot CD画面が表示される
また、DVD等を利用する場合は、BIOSメニュー画面ではなく、光学ドライブからUltimate Boot CDを起動する方法もあります。
- パソコンを起動する
- ロゴが表示されている間に、起動ドライブ変更キーを数回押す(これについてもメーカーによってキーが異なる場合があります。例:東芝→F2 富士通:F12 NEC:F12 など)
- 起動メニューが表示される
- Ultimate Boot CDの入ったドライブを選択
- Enterで決定
よく使うUltimate Boot CDに含まれているアプリケーションと使い方
Ultimate Boot CDにはパソコンのトラブルを解決するためのアプリケーションが豊富に含まれています。
こちらの項目では、Ultimate Boot CDに含まれているアプリケーションを下記の内容に分けて紹介します。
- メモリー関連
- ハードディスク関連
- ディスクコピー
- パーテーション関連
- ファイル復旧
- ハードディスクのデータ消去
- BIOSパスワード解除
- iniの編集
メモリー関連
- Memtest86、Memtest86+
これらは、メモリーを診断するツールです。
メニューから選択すると自動的に診断を開始してくれます。エラーが発見されると画面に詳細が表示される仕様です。終了するにはEscキーを押してください。
ハードディスク関連
- Parted Magic
パーテーションの操作や、データの復旧・消去などの操作等が可能です。
現在有料化しているソフトウェアですが、Ultimate Boot CDには無料で配布されていた頃の古いバージョンが収録されています。
メモリを多く使用するため、512MBは余裕のある状態で利用してください。 - HDAT2
ハードディスク診断ツールです。
不良セクタの診断、また修復も行うことができます。
その他にもさまざまなことができますが、ハードディスクの診断をしたい場合には「Device tests menu」を選択します。
音声がうるさいという場合には、「Ctrl」キーと「S」キーを押して設定の切り替えをすると良いでしょう。 - Drive Fitness Test
ハードディスクにエラーがあるか確認できるツールです。
クイックテストという2,3分で終わる簡易的な診断と、アドバンスドテストという詳細な診断があります。アドバンスドテストに関しては30分程度はかかると考えたほうが良いでしょう。
Drive Fitness Testはハードディスクに大きな負担をかける可能性があるため、こちらのソフトを利用する際には、念のためデータのバックアップをしておくことをおすすめします。
ディスクコピー
- ddrescue
データコピー用のツールです。
Parted Magicを起動し、タスクバーに表示されているパソコンマークを選択するとddrescueが起動します。
下記の作業を行うとコピーできますが、コピー先にデータを上書きで書き込むため、その点には注意してください。
ddrescue -f (コピー元) (コピー先)
と記載してEnterキーを押すと、コピーを行うことができます。
コピー作業を中断したい場合には、「Ctrl」キーと「C」キーを同時に押すと中断されます。
パーティション関連
- Test Disk
パーティションを復旧するためのツールです。
データの書き換えをするツールのため、使用方法をあやまるとWindowsが起動しなくなってしまう危険があります。Test Diskを使用する前にデータのバックアップをしておく等、細心の注意を払いましょう。
ファイル復旧
- Photorec
ファイル復元用のソフトです。
ただし、ファイル名に関しては復元されません。
「File Opt」というオプションでは復元するデータの拡張子を選択・切り替えすることができるため、優先順位を決めて復元する拡張子を設定しておいたほうが良いでしょう。この設定を行っておくと、復元に要する時間も変わります。
ハードディスクのデータ消去
- Darik’s Boot and Nuke
「DBAN」と呼ばれているツールです。
ハードディスクのデータを完全に消去できます。
注意事項が表示されるので、それに了承すると、データ消去対象を選択できます。
ハードディスクはもちろんですが、パーティションの単位でも消去対象を選択することができます。
データを完全に消去し、復元できなくしてしまうツールのため、やり直すことはできません。
そのため、バックアップを取っておくことをおすすめします。
BIOSパスワード解除
- CmosPwd
BIOSパスワードを解除するためのツールです。
BIOSパスワードはCMOSクリアを行うことで解除できますが、ノートパソコンの場合、BIOSパスワードはCMOSに保存されておらずEEPROMに保存されていることがあります。その場合はこちらのツールを利用してもBIOSパスワードを解除することはできません。
また、CMOS情報をダンプすることも可能です。
場合によってはその作業でパスワードの文字列を見つけることもできるでしょう。
CmosPwdは最悪の場合PCが起動しなくなってしまう可能性もあるツールですので、使用する場合は注意してください。
boot.iniの編集
- EditBINI
「boot.ini」を編集するためのツールです。
「boot.ini」はWindowsのシステムファイルで、これに問題がある場合Windowsが起動できなくなる可能性があります。
そうした場合に「boot.ini」を修正するために利用できるのが「EditBINI」です。
「EditBINI」を起動して「boot.ini」のあるパーティションを選択すると、テキストエディタのように編集が可能です。(選択したパーティションに「boot.ini」がない場合、EditBINIが終了します)
内容の修正が終わったら、F10キーを押すと終了できます。
Ultimate Boot CDのダウンロード、使い方などのまとめ
今回は、パソコンのトラブルを解決するためのフリーツール『Ultimate Boot CD』について解説しました。
Ultimate Boot CDには多くのツールが収録されています。
Ultimate Boot CDは一回作成しておくことで、パソコンが起動しなくなってしまった場合などのもしものトラブルに対応することができるため、作成しておくのがおすすめです。
DVD等のディスクだけではなくUSBにも作成可能ですので、問題に備えて作成しておきましょう。
また、Ultimate Boot CDに含まれているアプリケーションの中には、重要なシステムに関わっているものもあります。要するに、使い方や場合によってはパソコンの起動ができなくなったり、データが完全に消去されて復元できなくなってしまったりということが起きる可能性があるツールも存在するということですね。
そのため、そういったツールを利用したいという場合には、利用手順を理解しておくことが大切です。そして、できる限りデータのバックアップをとるなどの準備をしてから利用することをおすすめします。