Windows 10、11でマザーボードを交換する手順と費用を解説
今回は、Windows 10、Windows 11でマザーボードを交換したい人に向けた解説をします。
マザーボードの交換方法だけではなく、メリットやチェック項目、関連費用についても解説していますので、マザーボードを交換したい、もしくは交換した方がいいのか迷っているなどの場合に参考にしていただければと思います。
クリックできる目次
- 1 Windows 10、11でマザーボードを交換する理由とメリット
- 2 Windows 10、11でマザーボードを交換する時の選び方、チェック項目
- 3 Windows 10、11でマザーボードを交換する手順
- 4 マザーボードを交換した後にドライバーなどを更新する方法
- 5 Windows 10、11でマザーボードを交換後、OSが起動しない場合の解決方法
- 6 Windows 10、11でマザーボードを交換後ライセンス認証が必要になることも
- 7 Windows 10、11でマザーボードを交換する費用
- 8 Windows 10、11でマザーボードの電池を交換する方法と交換後にBIOSを設定し直す方法
- 9 Windows 10、11でマザーボードを交換する手順と費用まとめ
Windows 10、11でマザーボードを交換する理由とメリット
マザーボードは、パソコンの中に入っている電子回路基板です。
もっと簡単にいえば、パソコンを構成するパーツの土台です。
この土台であるマザーボード上に、CPUやメモリが接続されています。
また、マザーボードはCPUやメモリなどの各パーツに電源を供給したり、パーツ間の通信の役割も担っています。
Windows 10やWindows 11でこのマザーボードを交換する必要があるのは、パソコンの故障や不具合が発生した時です。
たとえば、電源を押しているのに電源が入らないことがある、パソコンが急にフリーズしてしまう、などのような不具合が起きた場合には、マザーボードの故障が近い可能性があります。
ストレージ、メモリー、電源ユニットなどは大丈夫なのに不具合が起きる、という場合は、マザーボードの交換をしてみる価値があるといえるでしょう。
Windows 10、11でマザーボードを交換する時の選び方、チェック項目
Windows 10やWindows 11でマザーボードを交換するときの選び方とチェック項目について解説します。
- ソケットを確認して同じものを手に入れる
- メモリーのチップの規格を確認して同じタイプの物を手に入れる
- マザーボードの規格(基板のサイズ)を同じ規格の物にする
- マザーボードのチップセットを確認して同等か上位の物にする
ソケットを確認して同じ物を手に入れる
ソケットというのは、マザーボードの中のCPUを取り付ける部分のことです。
このソケットにはいくつかの種類があるため、CPUと同じ規格のものでないと形状が異なり接続できない可能性があります。
まずはこのソケットを確認し、同じ物を手に入れましょう。
メモリーのチップの規格を確認して同じタイプの物を手に入れる
メモリーのチップの規格も、CPUと同様に、対応しているものを選びましょう。マザーボードごとにチップの規格は異なりますが、幅広く対応しているものもあります。メモリーはチップの規格以外にも形状やモジュール等の規格もありますので、注意が必要です。
マザーボードの規格(基板のサイズ)を同じ規格の物にする
マザーボードのサイズは一定ではありません。
大きさを間違えてしまうと、PCケースに入りきらない恐れがあります。
マザーボードを購入する際には、サイズを把握してPCケースに収まるものを選びましょう。
マザーボードのチップセットを確認して同等か上位の物にする
マザーボードには「チップセット」というパーツが搭載されています。
このチップセットはパソコンの性能を決めると言っても過言ではないほど重要なパーツです。チップセットは各パーツをつなぐ役割を持ち、CPUからのデータを他パーツに送って管理しています。
先ほど述べたように、チップセットの性能がパソコンの性能を左右するので、マザーボードを交換する際には、現在のチップセットの性能を確認し、それと同等か上位のものを選ぶようにすると良いでしょう。
Windows 10、11でマザーボードを交換する手順
それでは、Windows 10、Windows 11でマザーボードを交換する手順を解説します。
マザーボードを交換する前には、アカウントを同期したり(→Windows 10、11でマザーボードを交換後ライセンス認証が必要になることも)、念のためバックアップを取っておいたりすると良いでしょう。
- ケーブル類を外す
- PCケースからマザーボードを外す
- CPUファン、CPUを外す
- メモリーを外す
- マザーボードを取り付ける
- パーツを元に戻す
ケーブル類を外す
まずは、PCの電源を切り、周辺機器を取り外します。
PCについているケーブル類もすべて取り外しましょう。
ケーブル類を取り外しておかないとマザーボードも取り出すことができません。
また、電源を切ったあと数分置いて放電することもおすすめします。
PCケースからマザーボードを外す
PCのケースを開け、マザーボードを取り外します。
PCの開け方がよくわからない場合は、適当に開けずに一度PCの型番等で開け方を調べてみましょう。無理に開けてしまうと破損の原因になります。
また、PCケースを開ける際に外したネジは、配置がわかるようにしておくのがおすすめです。
PCケースが開けられたら、マザーボードについているパーツやケーブルを取り外します。
マザーボードについているものが取り外せたら、マザーボードのネジを外して、マザーボードごと取り出します。
その後、I/Oパネル(マザーボードを取り付けるための金具)も取り外しておきます。このI/Oパネルは、マザーボードごとに異なるので、新しいマザーボードに交換する際はそのマザーボードに付属しているI/Oパネルを使用します。
CPUファン、CPUを外す
次に、CPUとCPUファンを取り外します。
CPUファンはホコリが溜まっている可能性もあるので、この機会に掃除しておくのもおすすめです。
メモリーを外す
次に、メモリーを取り外します。
メモリーはマザーボードに接続されているので、抜き取りましょう。
マザーボードを取り付ける
新しいマザーボードを付属のI/OパネルとともにPCに取り付けます。
この際に、CPUやCPUファンも取り付けますが、その場合はグリスを塗っておきましょう。
また、メモリー等も取り外すときと逆の手順で取り付けておきます。
パーツを元に戻す
マザーボードをPCケースに取り付けたら、その他のパーツもすべて逆の手順でもとに戻します。
マザーボード交換後は、PCの電源を入れて動作確認をしましょう。
マザーボードを交換した後にドライバーなどを更新する方法
マザーボードを交換したあとには、ドライバーなどを入れ直す必要があります。
- マザーボードに付属のDVDからドライバー類をすべてインストールする
- Windows Updateでドライバーをすべて最新にする
マザーボードに付属のDVDからドライバー類を全てインストールする
マザーボードに付属しているDVD等からドライバーをインストールすることができます。
しかし、光学ドライブがPCについていない場合には、メーカーの公式サイトからインストールすることもできます。
Windows Updateでドライバーを全て最新にする
Windows Updateでもドライバーをインストールすることができます。
上記の付属DVDや公式サイトからのインストールと、Windows Updateからのインストールを組み合わせることで一通りのドライバが揃う可能性があります。
Windows 10、11でマザーボードを交換後、OSが起動しない場合の解決方法
Windows 10やWindows 11でマザーボードを交換後、正しく配置ができているのにOSが起動しないという場合には、下記のような対処法があります。
- CMOSクリアを行って、マザーボードを工場出荷状態に戻す
- CMOSクリアしても起動しない場合はメモリーやCPUの不具合を疑う
CMOSクリアを行って、マザーボードを工場出荷状態に戻す
マザーボードを交換後OSが起動しない場合は、CMOSクリアを行ってマザーボードを工場出荷状態に戻すと問題が解決する可能性があります。
CMOSクリアは、マザーボードの電池を取り外して数分放置することで完了します。
その後、電池やPCカバーをもとに戻し、問題が解決したか確認してみましょう。
CMOSクリアしても起動しない場合はメモリーやCPUの不具合を疑う
もしCMOSクリアをしても起動しないという場合は、メモリーやCPUに不具合がないか確認しましょう。
メモリーの装着がしっかりできていないという場合も考えられます。新しいメモリーを取り付けている場合は不良品でないかどうか確認してみてもいいかもしれません。
また、CPUの不具合が疑われる場合には、他のCPUを取り付けて動作確認をしてみましょう。
Windows 10、11でマザーボードを交換後ライセンス認証が必要になることも
Windows 10やWindows 11でマザーボードを交換後、ライセンス認証が必要になる可能性があります。
このときに、事前準備として「デジタルライセンス」を使えるようにしておくとWindowsをスムーズに認識せられます。
デジタルライセンスを使用できるようにするためには、WindowsとMicrosoftアカウントを下記の手順で連携させる必要があります。
下記の作業は、マザーボードを交換する前に実行しておきましょう。
【マザーボードを交換する前にWindowsとMicrosoftアカウントを連携させる方法】
- 「スタート(Windowsマーク)」を右クリック
- 「設定」を選択
- 「アカウント」を選択
- 「ユーザーの情報」内の「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」を選択(すでに「ローカルアカウントでのサインインに切り替える」と表示されている場合は、この作業は必要ありません)
- Microsoftアカウント、パスワードを入力
- 現在ログイン時に入力しているパスワードを入力
- 「ローカルアカウントでのサインインに切り替える」と表示されるようになればOK
- 「スタート(Windowsマーク)」を右クリック
- 「設定」を選択
- 「更新とセキュリティ」を選択
- 「ライセンス認証」を選択
- 「デジタルライセンスによってライセンス認証されています」と表示されていればOK
Windows 10、11でマザーボードを交換する費用
Windows 10、11でマザーボードを交換する場合にかかる費用は、交換方法によって異なります。
マザーボードを自分で交換するのか、業者に依頼して交換するのかで異なる上、場合によっては追加費用も発生します。以下に内容をまとめているので、参考にしていただければと思います。
自分でマザーボードを交換する場合の費用
自分でマザーボードを交換する場合、マザーボード代だけではなく道具代も必要になる可能性があります。
マザーボードにかかる費用は1万円〜です。
交換に必要な道具は、以下のようなものです。
- プラスドライバー
- エアダスター
- グリス
- 手袋(静電気対策用)
- ライト
これらが手元になければ揃える必要がありますので、マザーボード代に加えて数千円〜かかると考えるのが良いでしょう。
業者に頼んでマザーボードを交換する費用
自分でマザーボードを交換するのは不安がある、という場合は、業者に依頼するという手もあります。業者にマザーボード交換を依頼した際にかかる費用は、以下を参考にしてください。
- マザーボード代 :8,000円から3万円ほど
- 作業費用 :6,000円〜
上記の費用に加えて、CPUやメモリの交換の必要が出てきた際などには、その料金も上乗せされます。パソコンの状況に応じて料金が変化すると考えるのが良いでしょう。
また、メーカーでの修理の場合はそれ以上の料金がかかる可能性もあります。
マザーボードを交換する場合に追加で発生する費用
マザーボードを交換する場合、追加で費用が発生する可能性があります。
たとえば、ゲームやアプリの推奨する規格に合わせようとしてマザーボードを交換した場合です。この場合には、CPUやメモリー、グラフィックボードなども交換が必要になる可能性がありますので、以下のような追加費用がかかります。
- CPUの場合、14,000円程度〜
- メモリーは、5,000円程度〜
- グラフィックボードは、1、2万円〜
Windows 10、11でマザーボードの電池を交換する方法と交換後にBIOSを設定し直す方法
マザーボードには電池があります。
この電池が切れると、OSが起動しなかったり、PCの時間が狂ったりなどの不具合が発生します。
こちらの項目では、Windows 10とWindows 11でマザーボードの電池を交換する方法と交換後にBIOSを設定し直す方法について解説します。
マザーボードの電池を交換する方法
マザーボードの電池を交換するには、以下の手順を実行してください。
【マザーボードの電池を交換する方法】
- PCの電源を切る
- 周辺機器等を取り外す
- PCのカバーを取り外す
- マザーボードの電池の種類を確認し、新しいものを入手する
- プラスチックのピンセットなどで電池を取り外す
- プラスマイナスの位置に気をつけて新しい電池を取り付ける
- PCカバーを元に戻す
交換後にBIOSを設定し直す方法
マザーボードの電池を交換したあとは、BIOSの再設定が必要な場合があります。
この場合は、セットアップ画面が表示されますので、そこで設定をおこないます。
事前にBIOSの設定を確認しておくと安心です。
Windows 10、11でマザーボードを交換する手順と費用まとめ
今回は、Windows 10、11でマザーボードを交換する手順や費用について解説しました。
マザーボードを交換する際にはバックアップを取っておきましょう。
マザーボードの交換ではPCカバーを開け多くの部品を取り外して元通りに取り付け直すという作業が発生するため、部品の配置がわからなくなってしまったり部品を紛失してしまわないように注意が必要です。
自分でやるのは難しそうだという場合には、業者に依頼するという方法もあります。