今回は、Windows10やWindows11でのブートセクタ(MBR)の修復方法について解説します。
ブートセクタはハードディスクの先頭にあるセクタで、破損するとWindowsを正常に起動できなくなってしまいます。
記事内ではこのブートセクタの不具合の原因や、それを修復するTestdiskの使い方についても解説していきますので、参考にしていただけたらと思います。
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ブートセクタ(MBR)が破損する原因とエラーメッセージ
こちらの項目では、ブートセクタ(MBR)が破損してしまう原因や、ブートセクタが破損した場合にどのようなエラーメッセージが表示されるのか解説しています。
- ブートセクタ(MBR)が破損する原因
- ブートセクタ(MBR)が破損した場合はどんなエラーメッセージが出るのか
ブートセクタ(MBR)が破損する原因
ブートセクタ(MBR)が破損する原因には、以下のようなものが挙げられます。
- 停電などによる不適切なタイミングでの強制終了、シャットダウン
- ハードディスクに発生した不良セクタ
- ウイルスの影響
- 誤操作などによる起動ファイルの削除
- ディスクのエラーや故障
- OSのインストールによるMBRの上書き
ブートセクタ(MBR)が破損した場合はどんなエラーメッセージが出るのか
ブートセクタ(MBR)が破損した場合、以下のようなエラーメッセージが表示される可能性があります。
- Bootmgr is missing
Windowsを起動するために必要なファイルが見つからないというメッセージです。
MBRの破損などにより発生するエラーです。
- Error loading operating system
ハードディスクの設定情報が破損した場合などに不整合が発生した際に表示されることのあるエラーです。
- Operating System not found
OSが見つからないというメッセージです。デバイスの読込順が間違っている場合以外に、MBRのエラーやシステムファイルの破損、BIOSの破損などが原因の可能性があります。
- Reboot and Select proper Boot device or Insert Boot Media in selected Boot device and press a key
SATAスロットの不具合やハードディスクの障害によって、BIOSが起動ディスクを見つけられない状態です。
BIOSの起動順序が誤っている可能性もあります。
また、MBRの破損が疑われます。
ブートセクタ(MBR)をフリーソフトを使って修復する方法
ブートセクタ(MBR)に不具合が発生した場合、フリーソフトで修復する方法があります。
こちらの項目では、ブートセクタを修復できる主なフリーソフトとその使い方について説明します。
- ブートセクタ(MBR)を修復できる代表的なフリーソフト
- TestDiskを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法
- MiniTool Partition Wizard Freeを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法
- AOMEI Paritition Assistantを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法
ブートセクタ(MBR)を修復できる代表的なフリーソフト
ブートセクタ(MBR)を修復できるフリーソフトには、以下のような物があります。
これらのソフトを利用してMBRの修復を試みる場合も、できる限りハードディスクのデータのバックアップをしておきましょう。
- TestDisk
- MiniTool Partition Wizard Free
- AOMEI Paritition Assistant
TestDiskを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法
「TestDisk」はパーティション関連の情報を修正して復旧できるフリーソフトです。
TestDiskを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法は以下の通りです。
【TestDiskを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法】
- TestDisk Download – CGSecurityにてソフトを入手
- TestDiskを起動
- 「Create」を選択
- 「Enter」キーを押す
- 復旧したいディスクを選び「Proceed」を選択
- パーティション種別を選択
- 「MBR Code」を選択
- 「Y」キーを押す
- 確認画面が出るので問題なければ「Y」キーを押す
- 完了したらパソコンを再起動する
MiniTool Partition Wizard Freeを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法
「MiniTool Partition Wizard Free」は、MBR修復用のソフトウェアです。
MiniTool Partition Wizard Freeを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法は以下の通りです。
【MiniTool Partition Wizard Freeを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法】
- 無料パーティション管理ソフト – MiniTool Partition Wizard 無料版を問題が起きていないPCにインストール
- MiniTool Partition Wizard Freeを起動
- 「ブータブルメディア」を選択
- 作成されたブータブルメディアを問題の起きているPCに接続
- BIOSの起動順序をブータブルメディアが優先となるように変更
- ブータブルメディアからPCを起動
- 回復環境が起動
- 該当のシステムディスクを選択
- 「MBR再構築」を選択
- 「適用」を選択
- 完了したらPCを再起動して確認
AOMEI Paritition Assistantを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法
「AOMEI Paritition Assistant」はパーティション管理ツールです。
AOMEI Paritition Assistantを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法は以下の通りです。
【AOMEI Paritition Assistantを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法】
- AOMEIダウンロードセンターにてAOMEI Paritition Assistantのソフトを入手
- 修復したいMBRディスクを右クリック
- 「MBRを再構築」を選択
- WindowsOSのバージョンを選択
- 「適用」を選択
ブートセクタ(MBR)をコマンドプロンプトで修復する方法
ブートセクタ(MBR)に不具合が起きた場合には、コマンドプロンプトで修復する方法もあります。
Windowsが起動しない場合には、コマンドプロンプトの起動にインストールメディアが必要になりますので、下記の方法で作成しておくことをおすすめします。
【インストールメディアを作成する方法】
- Windows 10 のディスク イメージ (ISO ファイル) のダウンロードまたは
Windows 11 をダウンロードするにてインストールメディア用のファイルをダウンロードする - PCに作成用のメディア(USB、DVDなど)を接続する
- ライセンス条項に同意する
- 「別のPCのインストールメディアを作成する(USBフラッシュドライブ、DVD、またはISOファイル)」を選択
- 「次へ」を選択
- 「言語、アーキテクチャ、エディションの選択」ではパソコンに合わせた選択をする
- 「このPCにおすすめのオプションを使う」のチェックは外す
- 「次へ」を選択
- 「ISOファイル」を選択
- 「次へ」を選択
- DVDに書き込む場合は「DVD書き込み用ドライブを開く」を選択
- DVDを入れていなかった場合はドライブに入れて「書き込み」を選択
- 完了したら「閉じる」を選択
- USBに書き込む場合はRufus – 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できますなどのソフトを使う
- Rufusをダウンロードしたらダブルクリックで起動
- デバイスでメディアを作成したいUSBを選択
- 入手したISOファイルを選択
- 「スタート」を選択
- 完了したら「閉じる」を選択
【ブートセクタ(MBR)をコマンドプロンプトで修復する方法】
- インストールメディアからPCを起動
- 設定を選択
- 「次へ」を選択
- 「コンピューターを修復する」を選択
- 「オプションの選択」にて「トラブルシューティング」を選択
- 「詳細オプション」にて「コマンドプロンプト」を選択
- 「bootrec /FixMbr」を入力
- 「Enter」キーを押す
- 「bootrec /RebuildBcdr」を入力
- 「Enter」キーを押す
- 完了したらPCを再起動して確認
こちらで解説したBootrecのコマンドを使って修復を試みてもブロックされるなどでうまく行かない場合は、次の方法を試してみてください。
Diskpartを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法
Diskpartを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法は以下の通りです。
正確にはブートセクタ(MBR)をコマンドプロンプトで修復する方法がブロックされるなどでうまくいかないというケースへの対処法です。
【Diskpartを使ってブートセクタ(MBR)を修復する方法】
- インストールメディアからPCを起動
- 設定を選択
- 「次へ」を選択
- 「コンピューターを修復する」を選択
- 「オプションの選択」にて「トラブルシューティング」を選択
- 「詳細オプション」にて「コマンドプロンプト」を選択
- 「diskpart」と入力
- 「Enter」キーを選択
- 「List disk」にてどれがブートディスクか確認する
- 「select disk n(nにはディスク番号)」を入力しEnter
- 「list volume」を入力しEnter
- 「select volume m(mにはEFIパーティションボリューム番号)」を入力しEnter
- 「assign letter=N:(割り当てたいドライブ文字)」を入力しEnter
- 「Exit」を入力しEnter
- 「N:(Nは割り当てたドライブ文字)」を入力しEnter
- 「format N: /FS:FAT32」と入力しEnter
- 「bcdboot C:\windows /s N: /f UEFI」と入力しEnter
- 再度ブートセクタ(MBR)をコマンドプロンプトで修復する方法を実行してみる
SSDや外付けHDD(USBドライブ)のブートセクタ(MBR)を修復する方法
こちらの項目では、SSDや外付けHDDを接続した場合に、「Operating System Not Found」、「Missing Operating System」、「Invalid Partition Table」などといったエラーメッセージが表示される場合の修復方法を解説しています。
外付けのHDDを接続後、パソコンを起動したら「Operating System Not Found」「Missing Operating System」「Invalid Partition Tab」というエラーが表示される場合には、Windowsがインストールされているドライブよりも外付けHDDが優先で起動されてしまっている可能性があります。
一度外付けHDDを取り外して起動してみて問題ないようであれば、エラーの原因は起動優先順位でしょう。
BIOSを起動して、WindowsのOSがインストールされているドライブが優先で起動するように変更してみてください。
また、上記のようなエラーでない場合は、先述した対処法を実行してみてください。
USBメモリーのブートセクタ(MBR)を修復する方法
USBが開けないという場合にも、MBRの再構築が有効なケースがあります。
ただし、下記の作業をするとデータが消えてしまうようなので注意が必要です。
USBメモリーのブートセクタ(MBR)を修復する方法は以下のとおりです。
【USBメモリーのブートセクタ(MBR)を修復する方法】
- 無料パーティション管理ソフト – MiniTool Partition Wizard 無料版をインストール
- MiniTool Partition Wizard Freeを起動
- 「ディスク&パーティションの管理」を選択
- USBメモリを右クリック
- 「MBR再構築」を選択
- パーティションで右クリック
- 「フォーマット」を選択
- 「適用」を選択
- 「保留中の操作」を選択
もし1度でうまくいかない場合でも、同じ作業を繰り返すと開けるようになる可能性があります。
Windows10、11でブートセクタ(MBR)の修復方法まとめ
今回は、Windows10やWindows11でのブートセクタ(MBR)の修復方法について解説しました。
ブートセクタの破損、不具合が起こる原因は不適切なシャットダウンやウイルスの影響などさまざまです。
MBRが不具合をおこしているとWindowsが正常に起動できない可能性があり、それゆえに修復する際にインストールメディアなどが必要になることもあります。
このような場合に備えてインストールメディアを作成しておくとスムーズに修復をおこなえるでしょう。
MBRを修復できるフリーソフトもいくつかありますので、まずそれらを使って修復できるかどうか試してみてください。