パソコンの動作が重い、ということなどでお悩みの場合、キャッシュが原因の可能性があります。
今回は、そもそもキャッシュとはどういうものなのか、そして、そのキャッシュの場所と削除方法について解説します。
キャッシュが原因でパソコンが重くなってしまっている場合、今回紹介する内容を実行していただくことで問題が解決するかもしれません。
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Windows10のキャッシュとは?
それでは、そもそもキャッシュというのはどういうものなのでしょうか。
パソコンでいうキャッシュとは、一時的な保存データのことを指します。
以前処理した情報の処理を行う際に一から作業するのではなく、取り出しやすい場所へ保存しておいて、それを読み込むという感じです。
インターネットのホームページ等を閲覧する際に画像や文章、動画などのさまざまな情報が表示されると思いますが、それらもキャッシュがあることで表示を高速化できます。
というのも、毎回画像をインターネットからダウンロードして表示させるのではなく、キャッシュに保存されているものを読み込んで表示しているからです。
また、キャッシュといっても、下記のようにその種類はさまざまです。
- 【ブラウザキャッシュ】
先程説明したインターネットのキャッシュはブラウザキャッシュです。
ウェブサイトの情報をキャッシュに保存しておくことで読み込みが速くなるというメリットがありますが、古いページのデータを読み込んでしまうと本来のページが表示されないというケースもあります。 - 【サムネイルキャッシュ】
エクスプローラー内でデータのサムネイルを表示させるためのキャッシュデータです。
フォルダを開きサムネイルを表示させるたびに作成されます。 - 【システム復元用キャッシュ】
なんらかの不具合が発生した場合に使用される復元ポイントのためのキャッシュです。復元ポイントがあればデータをそのポイントまで復元できます。
復元ポイントはディスクの領域を使用するため、これが多い場合にはパソコンが重くなってしまうなどの影響を与えてしまう可能性があります。 - 【Windows Updateのキャッシュ】
Windows Update用のキャッシュで、更新の際に多くのデータがダウンロードされます。
更新は大容量の場合もありますので、容量が不足しているとパソコンの動作が重くなる可能性があります。
ダウンロード後も自動的には削除されないファイルのため、容量を圧迫する一因です。 - 【DNSキャッシュ】
パソコンからウェブサイトを閲覧した際に、IPアドレスなどを一定期間保存しておくものです。
通常PCがウェブサイトへアクセスする際、キャッシュサーバーと呼ばれるサーバーに対して問い合わせを行っています。
しかし、期間中に同じウェブサイトへアクセスする際には再度同じ問い合わせをしなくても良いように、DNSキャッシュを作成しているのです。
DNSキャッシュがあればIPアドレス情報を再利用することができ、問い合わせ・応答待ちの時間が少なくなるため、アクセスを高速化できます。 - 【Outlookのキャッシュ】
メールソフトであるOutlookにもキャッシュデータがあります。
これは、すでに使用されているデータが保存されているというもので、使用速度をあげるために役立ちます。
Outlookのキャッシュは特定のフォルダに保存されていますが、これを削除したとしても、連絡先やメールなどが削除されるわけではありません。
また、削除したあとにOutlookを再度立ち上げると、再度キャッシュデータが作成されます。 - 【Microsoftストアのキャッシュ】
初期からインストールされているMicrosoftストアを利用してアプリケーションをダウンロードする場合、一時ファイルが作成されます。
このMicrosoftストアのキャッシュが増えすぎた結果、アプリケーションのダウンロードがうまく行かないなどの不具合が起こる可能性があります。
これらのキャッシュが増えすぎてしまうと、パソコンの動作が重くなってしまうなどの不具合が起きてしまう可能性があります。
そのため、パソコンが重いという場合には、なんらかのキャッシュがたまりすぎていないか確認することをおすすめします。
次の項目からは、こういったキャッシュを削除する方法などを紹介していきます。
Windows10のシステムキャッシュの場所と削除する方法
それでは、溜まりすぎたキャッシュを削除するにはどうしたら良いのでしょうか。
基本的には、Tempフォルダに入っているキャッシュデータを削除することで、溜まっているキャッシュを削減できます。
また、手動ではなく、一定期間ごとにキャッシュを削除する設定も可能です。(Windows10のバージョンによる)
こちらの項目では、以下について解説します。
- 自動的にシステムキャッシュを削除する方法
- tempフォルダーを別の場所にうつして高速化する
自動的にシステムキャッシュを削除する方法
キャッシュの自動削除では、一定期間でキャッシュを削除するという作業を自動で行ってくれます。
手動で定期的にキャッシュを削除していくのも良いのですが、それはちょっと面倒くさいと思う人や、忘れてしまうという人もいると思います。しかし、バージョンが1709以降のWindows10であれば、キャッシュの自動削除が設定できるので便利です。
キャッシュの自動削除は、以下のように設定から行えます。
【自動的にシステムキャッシュを削除する方法】
- 「スタート」を選択
- 「設定」を選択
- 「システム」を選択
- 「ストレージ」を選択
- 「ストレージセンサー」をオンにする
- 「空き領域を自動的に増やす方法を変更する」を選択
- 「一時ファイル」内の「アプリで使用されていない一時ファイルを削除」にチェック
- 「一時ファイル」内の削除期間を設定
Tempフォルダーを別の場所に移動して高速化する
キャッシュが溜まりすぎてパソコンの動作が重たくなってしまっている場合、tempフォルダーを別の場所に移動して高速化することで問題が解決する可能性があります。
基本的にはCドライブにキャッシュデータを保存していると思いますが、そのデータが蓄積しすぎるとPCが重くなりがちです。
キャッシュデータを保存する場所を他のドライブに指定することができれば、Cドライブの圧迫を防ぐことができます。
Cドライブの他にDドライブなどがある場合には、試してみてください。
【Tempフォルダーを別の場所に変更して動作を高速化する】
- 管理者権限があるアカウントにログインする
- 別のドライブ(ここではDドライブとする)に「TMP」フォルダーを作成する
- 「スタート」を選択
- 「Windowsシステムツール」を選択
- 「コントロールパネル」を選択
- 表示方法を「大きいアイコン」表示にする
- 「システム」を選択
- 「システムの詳細設定」を設定
- 「環境変数」を選択
- 「ユーザー環境変数」内の「TMP」「TEMP」を選択し、削除を選択
- 「システム環境変数」内の「TMP」「TEMP」を編集し、Dドライブに作成してある「TMP」フォルダーに設定する
Windows10のメモリーキャッシュを削除する方法
キャッシュが原因でパソコンが重い場合、メモリーキャッシュを削除することで問題が解決する可能性があります。
キャッシュの削除方法はいくつかありますので、3つほど紹介します。
削除したい一時ファイルの種類や必要に応じて参考にしていただければと思います。
【Windows10のメモリーキャッシュを削除する方法①】
- 「スタート」を選択
- 「設定」を選択
- 「システム」を選択
- 「記憶域」を選択
- 「一時ファイル」を選択
- 一時ファイルスキャン完了を待つ
- 一時ファイル一覧が表示される
- 削除したい一時ファイルにチェックを入れる
- 「ファイルの削除」を選択
【Windows10のメモリーキャッシュを削除する方法②】
- 「スタート」を右クリック
- 「エクスプローラー」を選択
- 「表示」タブを選択
- 「オプション」を選択
- 「全般」を選択
- 「エクスプローラーの履歴を消去する」の横の「消去」を選択
- 「OK」を選択
【Windows10のメモリーキャッシュを削除する方法③】
- 「スタート」を選択
- 「Windows管理ツール」を選択
- 「ディスククリーンアップ」を選択
- プルダウンより削除したいデータのあるドライブを選択して「OK」を選択
- 「削除するファイルの一覧」より「一時ファイル」にチェックを入れる
- 「OK」を選択
Windows10のエクセルのキャッシュを削除する方法
キャッシュが原因でパソコンの動作が重い場合、エクセル等のofficeアプリケーションのキャッシュを削除することで問題が解決する可能性があります。
エクセル・ワードなどのキャッシュは「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\Windows\INetCache\Content.MSO」という場所に保存されますが、通常アプリケーションを終了すると削除されます。
終了しても残っている場合、削除しても良いでしょう。
ただし、念のため、削除せずに他のドライブ・フォルダに移動するのが良いかもしれません。
Windows10のOutlookのキャッシュを削除する方法
パソコンの動作が重い場合、Outlookのキャッシュが原因の可能性があります。この場合、Outlookのキャッシュを削除することで問題が解決するかもしれません。
- Outlookが終了していることを確認する
- WindowsキーとRキーを押し、ダイアログボックスを開く
- ダイアログボックスに「%localappdata%\ Microsoft \ Outlook」と入力しEnter
- 「extend.dat」ファイルを削除
この「extend.dat」ファイルを削除しても、Outlookを起動すればまた作成されます。
また、この一時ファイルは使用速度を上げるためのもので、削除したからといって連絡先や電子メール等が消えてしまうことはありません。
Windows10のブラウザ(Edge、Chorome)のキャッシュの場所と削除する方法
パソコンの動作が重かったり、ブラウザのページがうまく表示されなかったりなどの問題が起きている場合、ブラウザのキャッシュが原因の可能性があります。
この場合、ブラウザのキャッシュを削除することで問題が解決するかもしれません。
ブラウザキャッシュがあるとウェブサイトの表示が高速になるため便利ですが、古いものなどが増えすぎている場合には適宜削除していくのがいいでしょう。
こちらの項目では、下記ブラウザのキャッシュの削除方法を紹介します。
- Microsoft Edge
- Google Chrome
Microsoft Edge
【Microsoft Edgeのキャッシュを削除する方法】
- Microsoft Edgeを起動する
- 画面右上の「・・・」マーク(ポインタをかざすと「設定など」と表示されます)
- 「閲覧データのクリア」内の「キャッシュされたデータとファイル」を選択
- 「クリア」を選択
Google Chrome
【Google Chromeのキャッシュを削除する方法】
- Google Chromeを起動する
- 画面右上の「Google Chromeの設定」(3つの点が縦に並んでいるマークなど)を選択
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「閲覧履歴データの削除」を選択
- 「キャッシュされた画像とファイル」を選択
- 「データを削除」を選択
Windows10のキャッシュの場所、削除する方法まとめ
今回は、Windows10のキャッシュの場所と、削除する方法を紹介しました。
パソコンの動作がなんだか重い、という場合には、パソコンに保存されている一時的なデータが原因の可能性があります。
これらのキャッシュをクリーンアップすることで、動作が重いといったような問題が解決するかもしれません。
また、自分で毎回キャッシュのデータを削除するのが大変、面倒くさいという人は、自動的にシステムキャッシュを削除する設定を適用してみると、一定期間ごとにクリーンアップを実行してくれるので便利です。
このように、自動・手動に関わらず、定期的にキャッシュを確認して削除すると、パソコンが重たくなりにくいでしょう。
その他の方法としては、Cドライブ以外のドライブがあれば、そちらをキャッシュ用のフォルダに設定するというのもいいですね。