今回は、Windows10やWindows11で、PCの電源が突然落ちる場合や、再起動を繰り返す場合について解説します。
文書の作成中やアプリケーションの利用中にPCが落ちてしまうとデータの消失や不具合の原因となるので、できる限り早めの対応が必要です。
こちらの記事では、PCの電源が急に落ちてしまうという場合の原因や、それを確かめる方法に加え、解決方法も紹介しておりますので、参考にしていただければと思います。
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Windows10,11のPCが突然落ちる・再起動を繰り返す原因の調査方法
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる、再起動を繰り返すといった場合、まずは状態や原因の調査が必要です。
調査方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- イベントビューアー
- Core Temp、SpeccyでCPU温度をチェック
イベントビューアー
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる、または再起動を繰り返す場合には、まずイベントビューアーで状況を確認すると解決につながる可能性があります。
【イベントビューアーで原因を確認する方法:Windows10の場合】
- 「スタート(Windowsマーク)」を選択
- 「Windows管理ツール」を選択
- 「イベントビューアー」を選択
- 「Windowsログ」内の「システム」を選択
- 「レベル」項目を確認
- 「重大」と表示されている部分があった場合、不具合の原因の可能性があるため、確認する
【イベントビューアーで原因を確認する方法:Windows11の場合】
- 「スタート」を選択
- 「すべてのアプリ」を選択
- 「Windowsツール」を選択
- 「イベントビューアー」を選択
- 「Windowsログ」内の「システム」を選択
- 「レベル」項目を確認
- 「重大」と表示されている部分があった場合、不具合の原因の可能性があるため、確認する
Core Temp、SpeccyでCPU温度をチェック
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる、または再起動を繰り返す場合には、Core TempやSpeccyでCPU温度を確認すると状態を把握できる可能性があります。
なお、Core TempやSpeccyを利用するには、下記より各ツールをインストールする必要があります。
【Core TempでCPU温度を確かめる方法】
- インストールの際、「More downloads…」の表示から32、または64bitのリンクをクリックしポータブル版をインストール
- 日本語化が必要な場合「Japanese」を右クリック→ファイルとして保存する
- 「Core Temp」を解凍
- 「Core Temp.exe」のあるフォルダ内に「Languages」という名前のフォルダを作成
- 言語ファイル「ja-JP.lng」を「Languages」内にコピー
- インストール後、起動
- 起動すると下部に温度が表示される
【SpeccyでCPU温度を確かめる方法】
- インストールの際、必要であれば言語を選択する
- インストール後、起動
- 「要約」部分に温度が表示されているので確認する
通常、CPU温度は低負荷であれば40度、高負荷でも60〜80度程度です。
しかし、何もしていないのに通常からかけ離れた高温になってしまっている場合、CPUクーラーに不具合があったり、PC内部にホコリが溜まってしまっている可能性があります。
Windows10、11のPCが突然落ちる原因と解決法
Windows10やWindows11のPCの電源が突然落ちる原因には以下のようなものが挙げられます。
- 熱暴走が起きている場合
- 電源周りの異常
- Windows10、11のシステム関連
- ハードウェア関連
また、これらの原因と合わせて、解決法も紹介していきます。
熱暴走が起きている場合
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる場合、熱暴走が起きている可能性があります。
熱暴走は、PC内部に熱がこもりすぎた場合に起きる動作の停止によるものです。
早めに適切な対応をおこなうことで、本体の故障やそれに付随する二次被害を防げます。
熱暴走が起きていると考えられる場合には、以下のような解決法が有効です。
- CPUファンの掃除
- 電源オプションの変更
CPUファンの掃除
Windows10やWindows11のPCの熱暴走が疑われる場合には、CPUファンにホコリが溜まっていないか確認してみるといいかもしれません。
ホコリや汚れが溜まっている時は、下記のように掃除をして不具合の原因を取り除きましょう。
【CPUファンの掃除方法】
- PCの電源を切り、コード類も抜いておく
- 掃除機などを利用してホコリを吸い取る
- 汚れがひどい場合はPCを開けてホコリを取る
電源オプションの変更
Windows10やWindows11のPCの熱暴走が疑われる場合、電源オプションを変更すると問題が解消される可能性があります。
【電源オプションの変更方法】
- 「スタート」を選択
- 「Windowsシステムツール」を選択
- 「コントロールパネル」を選択
- 「システムとセキュリティ」を選択
- 「電源オプション」を選択
- 「バランス(推奨)」の右にある「プラン設定の変更」を選択
- 「詳細な電源設定の変更」を選択
- 「プロセッサの電源管理」を選択
- 「最大プロセッサの状態」を99パーセント以下にする
電源周りの異常
Windows10、Windows11のPCが突然落ちる場合、電源周りに異常がある可能性があります。
その場合、以下のような解決法が有効です。
- バッテリー交換(ノートパソコン)
- 電源ユニットの電力不足(デスクトップパソコン)
バッテリー交換(ノートパソコン)
Windows10やWindows11のPC(ノートパソコン)が突然落ちる場合、バッテリーに問題が発生している可能性があります。
その場合には、バッテリー交換が有効です。
たとえば、バッテリーの減りが早くなってきたというような場合は、バッテリー交換を実施した方が良いかもしれません。
電源ユニットの電力不足(デスクトップパソコン)
Windows10やWindows11のPC(デスクトップパソコン)が突然落ちる場合、電源ユニットの電力不足が疑われます。
電源ユニットは電力を供給するパーツです。
電源ユニットの容量を上回る処理をすると、PCが突然落ちるという現象が発生する可能性があります。
このような場合には、電源ユニットの交換、または負荷となる原因(高性能のグラフィックカードなど)を取り除くことが有効です。
Windows10、11のシステム関連
Windows10やWindows11でPCが落ちる場合、システム関連の問題がある可能性があります。
- システムファイルの問題
- 高速スタートアップ
- ハイブリッドスリープ
システムファイルの問題
Windows10、Windows11のPCが突然落ちる場合、システムファイルに問題が起きている可能性があります。
これらの問題を確認するには、Windowsに搭載されているシステムチェッカーツールを利用すると良いでしょう。
【システムチェッカーツールを利用する方法】
- 「スタート」を右クリック
- 「Windows PowerShell(管理者)」を選択
- 「sfc /scannow」と入力
また、「chkdsk」を実行するという方法もあります。chkdskはコマンドプロンプトから実行可能なドライブのエラーをチェックするプログラムです。
ただし、chkdskではオプションによってはファイルシステムの異常を修復する過程でデータを上書きする上、ハードディスクに高負荷をかけます。また、問題があるデータを削除してしまうことがあるため、バックアップをとっておくなど、実行には十分な注意が必要です。
【chkdskを実行する方法】
- タスクバーに「cmd」と入力
- 「コマンドプロンプト」を選択
- 「chkdsk」と入力し、半角スペースを入れ、該当のドライブ(「c:」など)を入力(この際にまた半角スペースを入れ、後述の修復オプションを指定することもできます。「/f」「/r」「/b」※修復オプションは、記載順に負荷が高くなり、時間もかかります。基本的には「/f」を利用するのが良いでしょう。)
- オプションを指定しなかった場合はそのままenterキーで読み取りモードで実行(チェックのみ行われるため、比較的短時間で安全に実行できます。)
- オプションを指定した場合、enterキーを押すと確認事項が表示されるため、「Y」キーを押してからenter
高速スタートアップをオフ
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる場合、高速スタートアップをオフにすることで問題が解決する可能性があります。
【高速スタートアップをオフにする方法】
- 「スタート」を選択
- 「Windowsシステムツール」を選択
- 「コントロールパネル」を選択
- 「電源オプション」の「電源ボタンの動作の変更」を選択
- 「現在利用可能でない設定を変更します」を選択
- 高速スタートアップを有効にするのチェックを外す
ハイブリッドスリープをオフ
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる場合、ハイブリッドスリープをオフにすることで問題が解決する可能性があります。
ハイブリッドスリープは、バッテリーが切れるとスリープ中の内容が消えてしまう通常のスリープとは異なり、省電力状態でもハードディスクへ保存できる機能です。
しかし、これが原因でPCに不具合が発生する可能性もあります。
【ハイブリッドスリープをオフにする方法】
- 「スタート」を選択
- 「設定(歯車マーク)」を選択
- 「システム」を選択
- 「電源とスリープ」を選択
- 「電源の追加設定」を選択
- 「プラン設定の変更」を選択
- 「詳細な電源設定の変更」を選択
- 「スリープ」を選択
- 「ハイブリッドスリープを許可する」の設定をオフにする
ハードウェア関連
Windows10、Windows11のPCが突然落ちる場合、ハードウェア関連に問題が発生している可能性があります。
- BIOS(UEFI)
- メモリーの関連
- 周辺機器
BIOS(UEFI)を更新する
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる場合、「BIOS」(UEFI)を更新すると問題が解決する可能性があります。
BIOSはOSの起動等をおこなうプログラムです。
そのため、アップデートの際にはバックアップを取り、細心の注意を払って実行しましょう。
BIOSの更新手順はメーカーにより異なりますので、確認して実行してみてください。
メモリーの関連
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる場合、メモリー関連に問題が発生している可能性があります。
たとえば、メモリーがきちんと取り付けられていなかったり、増設時に取り付けたメモリーとの相性が良くなかったりといった問題です。
メモリー関連で不具合が発生しているか確認するには、下記の手順でWindowsメモリ診断を実行してみてください。
【Windowsメモリ診断使用方法】
- 「スタート」を選択
- 「Windows管理ツール」を選択
- 「Windowsメモリ診断」を選択
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」を選択
全ての周辺機器を取り外す
Windows10、Windows11のPCが突然落ちる場合には、全ての周辺機器を取り外してみると問題が解決する可能性があります。
一度、マウスやキーボード、そのほかにも接続しているものがあれば、取り外してみてください。
Windows10、11のPCが突然落ちる・再起動するを繰り返す原因と解決法
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる・再起動を繰り返す場合、以下のような問題も考えられます。
- ハードディスクの障害が起きている
- 特定のアプリケーションを起動した場合
- Windows Updateが原因の場合
ハードディスクの障害が起きている
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる、再起動を繰り返すなどの場合、ハードディスクの障害が起きている可能性があります。
ハードディスクに物理的な故障が見られる場合には交換が有効です。
ハードディスクをハードディスクに交換するのではなく、壊れにくいとされるSSDに交換するのも一つの方法です。
特定のアプリケーションを起動した場合
Windows10やWindows11のPCが突然落ちる、再起動を繰り返す場合、特定のアプリケーションを起動するなどの動作を行なっている可能性があります。
特定のアプリケーションに問題がないか確認し、必要に応じてアップデートやアンインストールすると良いでしょう。
WindowsUpdateが原因の場合
Windows10、Windows11のPCが突然落ちる場合、Windows Updateが原因の可能性があります。
Windows Updateが自動で実行されると、PCが勝手に再起動してしまったりすることがあります。
作業中に突然アップデートのために再起動して困るという方は、下記の手順で更新を一時停止することで問題が解決するかもしれません。
【Windows Updateを一時停止する方法】
- 「スタート」を選択
- 「設定」を選択
- 「更新とセキュリティ」を選択
- 「Windows Update」を選択
- 「更新を7日間一時停止」を選択
Windows10,11のPCが突然落ちる・再起動を繰り返す原因と解決法まとめ
今回は、Windows10やWindows11でPCの電源が急に落ちてしまう、または再起動を繰り返してしまうなどの問題について解説しました。
まずは、ツールを利用してPCの温度を確かめたり、ファンの掃除をしてみるといった、簡単な解決法から試してみてください。
そのほかの修復ツール等を利用する際はくれぐれもデータが消失しないよう、バックアップを取っておくと良いでしょう。